八坂神社稲荷神社例大祭一戸まつり2015

 


 こちらでは、推奨すべき出来映えの山車から先に紹介している。※写真ページでは、単に場面のバランスで並べた。
 概要:1席は波を上手に使った。2席は電飾を上手に使った。4席は見返しを上手に使った。5席は題材を面白く採った。


本 組 【風流 那須与一宗高 /見返し 扇の的

hspace=30

屋嶋に馨る 源平絵巻 的の扇は 波と散る
(見返し)的は玉虫 恋路に懸けて 弓は与一の 鳴り鏑

※演題紹介※


 烏帽子や鎧は地味目、動作も弓を引き絞る直前で静か。そのぶん大胆な波に目が行き、盆上が見事に海原に見える
 貸出先ではこの絶妙な波の高さが完全には再現できなかったので、地元での姿が一番良く見えた


hspace=30 伝統型に従った取り合わせである









橋中組 【風流 船弁慶 /見返し 笛吹童子

hspace=30 半数を占めた字余り音頭(下)にはこだわりがあるのかもしれない

海に沈めし 無念の思い かざす薙刀 大物浦に
碇もろとも 失せたる夢を 大物浦に 果たさせたまえ

※演題紹介※


 モノトーンで桜が映えた。今年はひときわライトアップに工夫がある(表は赤、見返しは青と緑で不断に)
 題は『船弁慶』で良かったのだろうか。風情の反面、説明不足な気もする


hspace=30 滝の電飾が非常に上手く、見飽きない。題材が『敦盛』なら、栄枯盛衰の感で尚映えただろう

hspace=30 夜の更け具合に応じて光り方が変わるのが面白い
「怨霊もの」「妖怪もの」とも呼ぶべき新ジャンル。地顔でなく能面だったらさらに異様さは増しただろう









野田組 【風流 畠山重忠 /見返し 桃太郎

hspace=30 初日の夕景、一戸では珍しい山車のすれ違い

やまを駆けるは 疾風か雲か 重忠奇襲の 逆落とし
白旗掲げて 鵯越に 討つは平家の 一の谷

※演題紹介※


 物語感でいえば、こんなに矢があると場面が変わるのでダメだと思う
 派手な色だが、構図に高さがあって豪快だった


hspace=30 手作り人形を京人形風に塗ってある。小鳥谷では笑った顔に塗り替えた









上町組 【風流 四条畷の戦い /見返し 桜井の別れ

hspace=30 札には「正行逝く、時に22歳」と

六万の敵 正行激戦 四条畷に 力尽き
楠木の 家督を継いだ 正行悲運の 最期を遂げ

※演題紹介※


 当年の一戸で一番良かったのは、この山車の見返しである
 何か違和感があると、表の題にとっては致命的だとわかった


hspace=30 一戸の外では出づらそうな豪華な見返し
当組で今まで作ってきた見返しの流れを考えると、一番良い形で活きていると思う









西法寺組 【風流 歌舞伎十八番 象引き /見返し 歌舞伎十八番 助六

hspace=30

力比べの 荒事歌舞伎 猛者の証と 象を引く

象を伴ってこの題を作ったのは、この山車が初めて

 配色が素晴らしい。象と人物は思った以上に小さかった
 とにかく大きさの違和感を無くす写真を工夫した


hspace=30 こういう体勢の助六は珍しい。人形も独特






※正式な演題と、八坂神社祭典山車歴代演題


文責・撮影・音頭収集:山屋賢一(平成27年8月28日)
(管理人連絡先:sutekinaomaturi@outlook.com)
inserted by FC2 system