岩手県九戸郡洋野町 種市夏祭り写真帖 平成23年8月7日撮影
たねいち夏祭り
たねいち夏祭りは旧種市町の唯一に近いお祭りで、七月末か八月初旬の日曜に開催される(正午過ぎから夕方まで)。中野・有家・宿戸など旧町内のほぼ全部落から神輿・山車・仮装行列が出て(20団体超)、午後3時から1時間程度町内繁華を廻る。
主会場のJR八戸線種市駅前ロータリーには人垣が出来て、パレードは必ず最後にここにさしかかり喝采を浴びる。郷土芸能(伝統的なものは角浜駒踊りと瀧澤鶏舞)や創作太鼓は駅前のみで披露されるが、音声だけはスピーカーを通して町内一帯に流される。駅前通にホタテ焼きや田楽豆腐の出店が出るほか、付近のスーパーでも露天でおからドーナツなどを売る。町内の入り組んだ通りには紅白の提灯が吊されて、祭りを彩る。
たねいち夏祭りの山車のうちお囃子が入るものは、三区・四区・緑ヶ丘の3台である。いずれも風流山車であるが、作り方に決まりがあるようには見えない。人物を飾ったものは無く、龍や鳳凰を飾ったり、建物を模したりしている。囃子もバラバラの作法で、三区は他では聞かないような独特のもの、四区は八戸の山車囃子をそのまま使っていた。「上を向いて歩こう」をリコーダーなどで鼓笛隊風に演奏し、お囃子に使っている町もあった。そのほか小型のパレードカーや創作太鼓を乗せた屋台、桃太郎の仮装を乗せる宝船が出る。いずれもパレードのみの運行で、電飾は無く解散次第自町内に帰る。
パレードが解散するとナニャトヤラの流し踊りが始まるが、これも全地区総出で30団体程度、1時間半ほどかけて町内を巡る。種市のナニャトヤラは太鼓の両面を打つ久慈タイプで撥絡みが多いが、面を叩く時に凄まじい迫力を出すものも多い。
文責・写真:山屋 賢一
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