八坂神社稲荷神社例大祭一戸まつり2010
久々にビニールの無い一戸の山車を見て、大きいなあと感じました。
飾り方が近年、より古い姿に戻りつつあるような気がします。
碁盤振り上げ 討ち手を寄せぬ 益荒男鹿の 勇ましさ
奥州佐藤は 其の名で光る 碁盤忠信 忠戦記
赤に源氏の車をとどめ、燃やす忠義の火焔隈。
…義経の忠臣 佐藤四郎忠信、吉野の奮戦。
「屏風のトラを捕らえて見せよ」と、殿様の難題。
一休さんは嬉々として応える。「では、トラを屏風から追い出してください。」
天下に通じ 礎きずく 智勇に優れし 信直公
(見返し)幼き九郎 八幡の神に 加護を祈りて 十余年
岩手の戦国大名 南部信直は、岩手郡一方井に生まれ、三戸郡田子の城主として「田子九郎」と名乗った。
九郎は当初本流と遠かったため、家督相続争いを逃れて岩手県北各地を周遊していた。その際、旅先で病にかかって途方に暮れたが、葛巻山に源氏の氏神である八幡大神を祀って一心に祈願したところ、
無事病を癒して田子への帰還が叶ったという。これが現在の葛巻大麻八幡宮の起源である。
当年の山車は、本組の貸出先である岩手郡葛巻町新町組の奉納神社 葛巻八幡宮の縁起にのっとり、表に八幡宮を勧請した南部信直、背面に田子九郎と葛巻八幡宮を飾った。約1ヵ月後に地元葛巻でも曳行され、町民に喜ばれた。
長じて信直は巧みな工作を経て本家を継承、時流を呼んで早々秀吉に謁見し、南部二十万石の安堵を勝ち取った。
潮の流れも 味方となりて 義経武勲の 八艘飛び
燕のごとく 怒涛の波間 義経翔る 壇ノ浦
緋おどしの鎧に橙の直垂、波も逆巻く壇ノ浦に九郎判官義経が飛ぶ。
栄華はかなく、追われる義経。
愛妾静は敵前に舞い、義経恋慕を詠う。
切り込む弁慶 ひらりと交わす 牛若丸の 身の軽さ
平家を討たんと 主従の契り 月も微笑む 五条橋
末世を憂う弁慶と、雌伏して時を待つ牛若丸。
薄紅色の秋の月、五条の橋でめぐり会う運命の主従。
乱世の終わりに現れて日本美術に革命を起こした、俵屋宗達。
躍動する風神雷神に、琳派の風が兆す。
湖青に燃えるか 鐘の音高く 石山寺の 意気強し
比叡の山々 琵琶湖に映えて 弁慶勝負の 鐘を取る
比叡山に大鐘を引く、弁慶の怪力と意地。
石段に踏み出す足にも、漲る力。
灰で枯れ木に桜の花を 咲かす翁のエビス顔
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