八坂神社稲荷神社例大祭一戸祭り 平成21年山車写真集


※写真撮影順に掲載


早川鮎之助(本組) 演題紹介 撮影:祭典初日夕方の門付け時


若き其の身を早瀬に鍛え 孝のしるしの鮎を捕る

しのぶ山中 鹿鳴く谷間 流れ早川 鮎之助
(見返し)艱難辛苦 再興願い 祈る三日月 鹿之助



主家の再興七難八苦 越えて誓うや秋の月


月に祈る山中鹿之助
 山中より早川鮎之助を見出した山中鹿之助は、主家である戦国大名尼子氏を再興するため、生涯をかけた武将である。鹿之助は三日月に剣をかざし、「私に七難と八苦を与えてください。七難八苦に耐え抜いて強くなった私は、かならずや尼子を再興して見せます」と祈っていたという。早川と表裏一体の見返し。(撮影:祭典3日目合同運行時)





岩見重太郎狒々退治(橋中組) 前作 撮影:祭典初日夕方の門付け時


花嫁御陵に身を潜ませて 神を騙りし狒々を待つ

大刀一閃 地響き立てて 白き大狒々 どうと堕つ
甲羅を経たる 狒々をば討ちて 剣豪岩見の 名ぞ高し



時は源平戦のさなか 勇婦出でたり木曾の山


女武者 巴御前
 巴御前は『平家物語』に登場する女武者で、緑の黒髪をたなびかせて馬上に長刀をかざし、夫の木曽義仲とともに戦場を暴れまわったという。城門やぶりで有名な朝比奈三郎は、一説には巴御前の子であるともいう。(撮影:祭典3日目駅前参集時)






和藤内虎退治(西法寺組) 演題紹介 撮影:祭典3日目の合同運行前参集時


勢子の喧騒虎狩りばやし 已んで和唐を愛でる歌

神の護符で 千里ヶ竹に 虎を生け捕る 和藤内
(ナニャトヤラ唄)盆の十六日 闇夜でけねえか 嫁も姑も 出て踊る



見返し ナニャトヤラ(提供写真)




児雷也と仙素道人(野田組) 演題紹介 撮影:祭典3日目合同運行後の地元帰り


師より秘伝の巻物開き ふるう妖術蝦蟇のわざ

蝦蟇の妖術 神出鬼没 民の味方の 児雷也変化
(見返し)天の恵みと 土地の情け 愛の一文字 直江城




参れ家康「義軍」の名をば 高く歌いて直江状
直江兼続
 平成21年のNHK大河ドラマの主人公、上杉家の筆頭家老で関ヶ原の戦いの際、徳川家康に「直江状」を突きつけて戦端を開いたことで名高い。兜のたてものには「愛」の一字を掲げ、知友兼備の武将としてたたえられた。




山車を横から見ると…






加藤清正虎退治(上町組) 演題紹介 撮影:祭典3日目夕方、地元帰り時


武勇とどめし片鎌槍の 謂れは高麗(こま)の虎退治

勇ましや 異国の陣に 虎の退治で 名を残す
(お祝い)松林山より お獅子が下る 牡丹畑で 舞い遊ぶ



忠臣清正守りし君も さだめはあわれ夏の陣


清正と幼君秀頼
 当年上町組は大八車を新調、従来の飾りの作法に一部改変を加えた。
 見返しには清正の受けとして豊臣秀頼を飾ったが、彼が清正亡き後、徳川家康の魔手に掛かって大坂城もろとも滅ぼされたことは有名である。清正は最晩年に秀頼と家康との会見に立ち会い、ことがあれば命を張って秀頼を守る心積もりであった。それゆえ家康は、清正の目の黒いうちは豊臣に手出しが出来なかった。
 清正の裏に大坂夏の陣、清正の思い叶わず…と描くのは、風流山車の儚さに見合う。

 

 

文責・写真:山屋 賢一(見物日:8月28・30日)



※歴代演題

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